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現場の実践と科学をつなぐ

エピジェネティクス」からの貢献

「エピジェネティクス」とは、DNAの配列そのものは変えずにその発現を制御する仕組みで、一冊の本がその人のDNA 配列全体(これをゲノムといいます)とすると、そのどのページを読むかということをきめているのが「エピジェネティクス」です。

 これまで私たちは健康エピジェネティックネットワーク(健エピネット)というサイトを立ち上げ、健康や病気などがどのようにエピジェネティクスと関わっているかを考えてきました。その中でもこの研究会でフォーカスしているような色々な問題を抱えたお子さんに希望を与える様なエピジェネティクスからのアプローチも話しあってきました(これまでの活動 参照)。それらから、脳神経系統の色々な段階での発達、

同じ原因遺伝子を持っていながら、周りの環境によって現れる症状は大きく変わること、

 さらには、親御さんはじめ周りの人においても、接する時の考え方や方法によって本人のみならず、接する人にも色々な効果が現れることなどにエピジェネティクスが関連していると考えています。もちろん、これらのことはまだ未解明な部分が多く、手探りの段階ですので、だからこそ、これから、そのことをアカデミアばかりなく現場に携わる方、当事者の方とも話し合っていきたいと考えています。これから、この研究会で取り扱っていくテーマとしては、

エピジェネティックな観点を持ちながら、

モンテッソーリ/シュタイナー教育
感覚統合
運動・身体活動
タッチ・身体感覚
芸術・音楽
自然との関わり
家族との関係
発達神経科学

などを考えています。  これまでは、久保田先生や、山口先生の講演を除けば、主にスタッフの文献調査による研究会活動で、クローズドな意見交換に終始しましたが、これからは、やはり現場の方や当事者の方、この活度に関心を持ってもらえる方と広く意見交換ができる様な研究会活動をしていきたいと考えています。

本人だけでなく、周囲も旅をする

 これまで、同様な発達支援のサイトや研究会でよく取り上げられてきた問題の一つに、親御さんを始めとする周囲の望むことと、本人ののぞむことのギャップがあります。

やはり、周囲はまず、「この子が普通の社会生活が送れるようになってほしい。」

と思うことがあると思いますが、本人は、「自分のやりたいことを誰にも邪魔されずにしていたい」ということではないでしょうか?時にそのギャップは両者にとっての苦しさや辛さになり、いろいろな専門家の指導では、どちらかといえばその解決は、応用行動科学などの手法を用いた、周囲の意向を優先するようになることが多いと思います。

 私たちが懸念するのは、そうしたことが積み重なっていくと本人が本当にやりたいこと「プチサヴァン」の芽を摘み取っているのではないかということです。

 しかし、ここで、「どうすればこの子を変えられるだろう」と考えていた私たちが、

「この子は、何を見ているのだろう」と考えるようしていくこと、そして、本人のより望んでいる環境は何かということを問いかけてそれを試してみること、それらを続けていくうちにこれまで気づかなかったあたらしい発見があるのではないかということです。もちろん時間の制約や、過集中など本人の健康のためだったり、社会生活を営む上でどうしても中断しなくてはならない場合も多いと思いますが、そこに私たちの楽しみや喜びを見出しうるということがいわれています。

本人に合わせて環境を変えていたはずが、いつの間にか私たち自身の「普通」「能力」「幸福」についての考え方も少し変わっている。

私たちはそれを**「相互変容」**と考えています。

 もちろん、やはりぐずっている子を何とかなだめすかして、やっと束の間の自分の時間が持てるといったようなことばかりかもしれません。でも、「今日はこんなことを発見した」「こんなことで一緒に笑った」という瞬間が生まれること、その小さな楽しみが、旅をもう少し続けてみる理由になれば。という提案です。